D.Gray-manのクロウリーファンブログです。雑誌の感想などを書いています。(ネタバレは発売日以降)

カテゴリ: 雑記  2010/02/27(土)
「伸ばした手の届く範囲を世界と呼んで
 一番素敵な場所を“らくえん”っていうなら
 太陽は降り注がないけど、波の音は聞こえないけど、
 彼がいるこの場所が、私の“らくえん”だと思う」

    ――――――「らくえん Runner's High↑ デモ」より引用

幸せであるというのは、心地よいものがなんでもある状態というよりも
「その一つがあれば他には何もいらない」と思えるほどのものに出会う事だと思う。


クロウリーはエリアーデを城に閉じ込めてしまう事に罪悪感があっただろうけど
エリアーデ本人は別に不幸だとは感じていなかっただろう。
クロウリーは彼女に殺せないほどの力を持った相手だったから、たとえアクマとしての本能が疼いたとしてもブレーキがかかって今までのように殺してしまう事もなかったから。

それに、彼女が普通の人間だったら伯爵の命令と自分の意思の板ばさみで悩んだかもしれないけど、そもそもアクマは命令違反を起こせないようにプログラムされている。
命令の先延ばしや拡大解釈はできても、伯爵がたった一言でも何かを命じてくれば彼女は悩む事すらできない。

あの城はおそらくエリアーデにとっての“らくえん”だった。


でもクロウリーにとってはそうじゃなかった。

「わわ私は…村人達に完全に嫌われてしまったである…」 (33夜)
「村人達にも嫌われ もう誰も私と友達になってくれはしないでしょう
 …まぁそれは今に始まったことではないであるが…
 なっ なんで泣くであるか!!
 私には…愛しいエリアーデがずっと側にいてくれるんだから…っ」
(34夜)

愛しいエリアーデがずっと側にいると言ってくれたにもかかわらず、彼は彼女以外の人間とも仲良くしたがっていたし外の世界にも憧れていた。「彼女がいれば他には何もいらない」というわけではなかった。

何故かというと
クロウリーには、「皆の仲間に入れて欲しい」という深いトラウマがあって
それはエリアーデ一人が癒せるものではなかったからだろう。

エリアーデはクロウリーと出会う前に沢山と男達にチヤホヤされたり自由気ままに買い物や美容を楽しんだりしていたから、あとは「自分に殺されない強さを持った男と愛し合うこと」ができたら他には何もいらないと思えたのだろうけど、彼女とクロウリーでは元々持っているものが違いすぎる。

クロウリーを「エリアーデ一人がいれば他には何もいらない」状態にする為には、彼の欠けた部分を埋める必要があった。
「他には何もいらない」と本心から思うには、その相手以外のトラウマがある程度以上埋まっていないといけない。


今現在のクロウリーは、外の世界に出て色んなものを見聞きし
人間の仲間に入れてもらっている状態だから心の傷は徐々に埋まっていくだろう。
エリアーデに関する部分以外は。

現在のクロウリーなら、あの城でもう一度同じ場面に遭遇した場合
「エリアーデ一人がいれば他には何もいらない」と言えるんじゃないだろうか。

そして逆に言うと、クロウリーにとってのエリアーデの部分はもう埋まらないから
彼女以外の人間に対して「○○がいれば他には何もいらない」と思わせるのはほぼ不可能だと思う。

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