D.Gray-manのクロウリーファンブログです。雑誌の感想などを書いています。(ネタバレは発売日以降)

カテゴリ: 本誌感想(146夜~178夜)  2008/07/16(水)
マナが私の想像より遥かに優しそうでビックリした…。
5巻37夜の「墜ちてゆけ」から見てもっと厳しくて冷たい人を想像してたから。

仇は討たないのか…。
座長に分からないように討てば良いのでは?と思うけど、
でも多分、そういう問題じゃないんだろうな…。

あまりにも色々ありすぎて、感情面が潰れちゃった人なのかもしれない。
激しく怒り狂う事も、涙腺が決壊するほど嘆き悲しむ事も無いような。

死ぬほど悲しいのに泣けない、というのは、少しだけなら分からなくもない気がする。
感情面が全部麻痺すると、何と言うかこう
世界の全てが他人事のようになってしまうというか。
こういう状況では普通悲しいと思うはずで、実際悲しいのに
体調は普通で心も冷静で、涙も出てこなくて、
自分は本当に悲しんでいるのかがだんだん分からなくなってくるような。


…仇を討てばいいのに、と思うけど
コジモをどうにかした所で犬が帰ってくるわけでもないし
コジモが本当に正確な犯人かどうかも調べないと分からないし
そんな事を調べていたらまた何かされるかもしれないから
マナの判断は正しいと思う。

……仇を討てばいいのに…。


「僕は所詮余所者ですから」

「余所者」という事で濡れ衣を着せられたり発言を聞いてもらえなかったりと
色々あったのかもしれない。
物事はもう諦めるしかないんですよ、と考えてしまうような事が色々。

…仇を討っても、犬は生き返らないし
復讐は復讐を生むからどこかで誰かが諦めなければならないという事は
理屈では分かる。


弱い者(芸が下手) が強い者(芸が上手い) に嫉妬して酷い事をしてしまう、というのも
ここに限らず、どこの世界でもそれなりにあるだろう。
同じ人間だとは思いたくもないほど卑劣だけど、似たような事は普通にある。
この「コジモ」も、そういう部分を除けば普通の人間なのだろうし。
座長や古参のサーカス団員にはとてもいい人間かもしれない。


…………なんで仇を討たないのさ!!
飾りのある首輪をしてたって事は、長い時間をかけて芸を仕込んだ
大事な大事な犬だったんだろうに!!
犬を使う芸人にとっての芸を仕込んだ犬は
ナイフ使いの腕や玉乗りピエロの脚にも匹敵するだろうに!!
「目には目を、歯には歯を」という言葉もある。
拡大報復はいけないからその辺の匙加減には気をつけるべきだけど
人間は、自分が「誰に」「何を」やってしまったかという事は
跳ね返ってきたものを見ることでしか理解できないと思うから
誤解させたままにしておくよりは、その辺をキッチリハッキリ
懇切丁寧に教えて差し上げるのが人間としての礼儀だと思うね私は!!

怒りに任せて暴力を振るうのではなく
できるだけ少ない労力で的確にトラウマを刷り込めれば一番良いのだろうけど。

他の生き物を深い意味もなく簡単に殺める者は、報復に対する恐怖が足りない気がする。
人によっては、足りないのは「不幸」だったり「苦悩」だったり
「安心」だったり「幸福」だったりと、色々あるだろうけどまあそこは臨機応変に。
(生まれつきの趣味の場合はどうしようもないかもしれない…)


…力の弱い人間は、報復も教育もできずに
泣き寝入るしかないのだろうけど。


でもこのマナは、14番目の兄だったわけだし
「何の力もない弱者」という事もないのではないかと思う。
そうならば、マナの「もういいです」は強がりでも諦めでもなく
「許し」だったのかもしれない。


アクマにされた時の言葉や「墜ちてゆけ」などの言葉もマナだから
こんな風に丁寧に喋る彼にも人並みに裏はあるのではないかなとは思うけれど

それでもやはり、このマナは「いい人」だと思う。

悲しい事を言うアレンを笑わせようとしてくれたり、傷を癒そうとしてくれたり
年端のいかない子供相手でも、普通の人間にするのと同じように接してくれた。

弱くて力の無い者に対しては礼儀を欠いてもいいと思う者が多いなかで
こういう大人はわりと貴重だろう。

アレンをサーカスから連れて行ってくれたのがマナで良かった。




しかしやはり何の報復もしないというのはどうかなと思うんだけど
これはもう仕方がないのか…。ううむ…。
天は罪人にバチなんて当ててくれないというのに…。
私はマナのような聖人君子にはなれそうもないな。
そういう人間自体は好きだけど私がやる分には無理というか。根本的に向いてない。


トラックバック

%url